充実した日々の中で、
湧き上がってきたモヤモヤ
刺激と気づきと楽しさに満ちた毎日
「働くを幸せにする」という想い、そしてそれを実現できる労務人事戦略担当という役割を担い、本当に実現したいことを進められていた。
様々な労務人事施策を企画・実現し、多くの社員から好評の声をもらったり、毎日が充実の日々であった。
仕事だけでなく、多くの企業を巻き込んでコミュニティも立ち上げて、社外にも多くの仲間もでき、毎月多様な人たちと色んなアクションを生み出したり。また、より自分の可能性を拡げるために、グロービス経営大学院に通学して、MBAを学んで多くの仲間達と出会ったり。 毎日が、刺激と気づきと楽しさに満ちていた。
働くとは、会社に行くこと?
そんな充実した日々を過ごしていた中で、ある働き方改革のイベントに参加したときの一言が自分の胸に刺さった。 「働き方改革とは生き方改革だ。どう生きたいかを自分で決めることだ」その言葉を聞いてから、自分の中でなんとも言えないもやもやが湧き上がってくるのを感じるようになった。
なぜならば、自分にとって働くとは、「会社にいくこと。そこで成し遂げること」という意識で、働く=所属会社に縛られていることに気づいてしまったのである。
でも、目の前に見える大企業のキャリアを上っていく階段。きっとこのままいれば、早期昇格もあって充実したキャリアを歩めるだろうし、一つのロールモデルとなったであろう。それは分かりやすい人生の一つの成功であるし、きっと自分はどんな状況でも楽しみ、幸せな会社生活を送るであろう。
何よりも今を楽しんで過ごせているのに、、、なぜ?
なぜ、自分の心の中で、何かが叫んでいるのだろう?
一体、何を訴えかけてきているんだ?
人生で初めての転職を決意
湧き上がる自分の本心
充実しているはずなのに。ずっと心のなかがもやもやする。
本当は分かっていた。会社の枠を超えて、人生の視点で働くを選択したいと思っている自分の本心に。
たった一度きりの人生、一つの会社だけでなく、色んなことを実際に体験したい。会社で生きるから、社会で生きる、人生を生きるを体現したい。でも、本心が湧き上がっているのを、必死に抑え込もうとしていた。
自分の心の中に生まれている悪魔が攻撃してくる。
悪魔の口癖は「正しいことをしたけりゃ偉くなれ」。その悪魔が語りかけてくる。
聞こえてくる、悪魔の声
大企業を辞めたら収入はどうする?家族も子供もいるしマイホームも建てたばかりなのに、収入が減ったら家族への責任を果たしていないのではないか?
お前が今好きなことをやれているのは、誰もが知っている会社の看板があるからだろう?
それを失ったただの「佐藤彰」に一体誰が振り向いてくれるんだ?
そもそも何かやりたいことがあるわけではないし、強いこだわりもないのに、なんとなく新しい環境にいってみたいなんて、意識として甘いのではないか?
そもそも新しい環境で活躍できるのか?
お前は社員を全員幸せにするって言っているだろう?社内コミュニティも作って、色んな活動を進めて全て放り出すのか?ひどい裏切りじゃないか?
世界がモノトーンになった
本心からモヤモヤが出ているのに、悪魔の声を大切にして、「自分は充実している」「満足している」と言い聞かせて無視しつづけた。そうして自分の本心から目を背け続けたある日の朝、目が覚めたら世界がモノトーンの景色になっていた。
例えでも何でもなく、自分の目に映る全てから色が消えて、モノトーンになったのである。
そのときに、やっと自分は本心の叫びをやっと受け取ることができた。体からエネルギーが湧かないのを感じ、「あぁ、もう今の環境では頑張れないんだ」と。本心を無視し続けた自分に対して、体から色を奪うというシグナルを受けて、やっと悪魔の声よりも本当の自分の声を大切にすることができた。
そして14年間勤めた会社を辞めて、32歳の頃に人生で初めての転職を決意した。
「働く」を通して、
実現したい未来
自分を生きることが、「働く」こと
「自分の人生を生きることが働くことそのものだ。やりたいことをやろう。」
その後、グローバルベンチャーの組織の立て直しをして、次に人材育成を担うベンチャー企業で面白い仲間達とやりたいことに挑戦する日々。
また、個人としても会社を立ち上げて、パラレルキャリアをスタートし、思い入れのあるテーマであるSDGs、地方創生、組織開発、人材育成、コーチングに自分の人生の時間を使っていった。
全ては「働く、を幸せにする」ことを実現するために。
そして、幸せに働くことが生きることそのものになっている、それを自らの生き方で体現するために。
「働く」の概念を変えていきたい。
働くとは疲れるものであると思わせる「お疲れ様」という言葉を無くしたい。
自分を表現すること、自分を生きることが、「働く」である。
それはすごく素敵なことなんだと。
そんな「働く」が実現できる社会を実現し、その「働く」のバトンを未来の子供達に渡せるように。生き様で働こう。そして自分の働き様をもって人に勇気を与えよう。